トラウマからの解放

みなさん、トラウマってありますか?


トラウマの原因は、心的外傷となった過去の出来事から、負の連想を現在に至るまで繰り返してきた結果です。

そしてトラウマは、

負の連想を繰り返した回数に比例して強化されていきます。

強化されたトラウマを解くのはなかなか難しくなります。

なので、トラウマを克服するためには、

過去の出来事による負の連想を断ち切り、無効化することがポイントになります。

今日は、僕がヨガを通して学んだトラウマ(心的外傷)を克服するいくつかの方法をまとめます。



■トラウマは、そもそも存在しないことを理解する

過去の記憶が、トラウマとなって定着してしまったのは「解釈」が原因です。

体験した出来事をどのように解釈するかで自分の行動は決まり、それに伴った結果なります。

ただ、それだけの話なんです!!


例えば、何かしらの出来事から家族を失ったという同じ体験をした二人がいます。

一人は、この体験を受け「ショックで何もできない」と解釈して引きこもりに。

もう一人は「命や人の大切さを痛感した。今を大切に生きようと解釈し、

子どもの頃からの夢を追いかけました。

つまり、トラウマとは自分の解釈が作った幻想にすぎず、

もともと存在しないものなのです。

体験した出来事をどう解釈するのか?

それは、その人の自由。

ここに気づけば、自分のパフォーマンスが上がる解釈を積極的に選ぶことが

「幸せな人生の過ごし方」であることに気づきます。

望まない出来事が起こっても、原因を考えることに意味はありません。

原因を考え続ければ、過去の辛い体験が、頭の中で繰り返されるだけ。

心的外傷(トラウマ)が強化されるだけなのです。

トラウマは「どうして~なんだろう?」という質問によって原因を考え続け、

頭の中で辛い体験を繰り返した結果です。

なので今からは「どうやって~しよう?」という質問に切り替え、

手に入れたいゴールに焦点を合わせる習慣をつけましょう。

この質問が習慣になれば、トラウマはどんどん薄らいでいき、

克服するでは時間の問題になります!!



■トラウマの原因である「負の感情」を手放す

トラウマを思い出してしまい、どうしても辛く、負の連想に入ってしまう場合は、

我慢することをやめていったん受け入れることが良いです。

なぜなら、心から込みあがってくる苦しい感情を抑圧するほど、

強烈なストレスを感じてしまうからです。

緊張している時に「緊張するな」と言うと余計に緊張するのと同じです。

だから、強いストレスは心と体を壊しかねません。

だからこそ、苦しい感情から逃げず、全てを受け入れ、感情を外へ解放しましょう。

例えば、怒りを我慢すればストレスは溜まります。

しかし、感情を開放して思いっきり怒れば、ストレスが解放され、カタルシス(快楽や浄化)を感じます。

このメカニズムを利用するのです。

これを心理学では曝露療法(ばくろりょうほう)と言い、

トラウマの元となる苦しい感情を受け入れ、味わうことで、

その感情に慣れたり、飽きるという発散効果が期待できます。

すると、少しずつ自分の中で「対処可能なトラウマ」だと感じられるようになります。

自分で対処可能だと思うことが極めて重要。曝露療法は、そのきっかけになります。


【曝露療法のやり方】

心が落ち着く場所に座って、その時の感情を味わう。

またトラウマになった過去の体験をわざと思い出し、

湧き上がってくる感情から逃げず、味わい続けてください。

最初は辛くて苦しいですが、途中で逃げることなく味わい尽くすことで、

抑圧してきた感情が解放され、さらには、慣れや飽きによって気持ちが楽になっていきます。

重要なので繰り返しますが、辛い感情から逃げず受け入れ、味わい尽くすこと。

途中で逃げてしまうと、トラウマが強化されることがあり、このやりが逆効果になります。

曝露療法は、感情を全て吐き出すことで快楽や浄化を得て、慣れることで効果を発揮する方法です。

もし、トラウマが強すぎて実践が難しいなら、

現状のフラットな感情を味わうことから始めましょう。

実践が難しい人は、トラウマとなった過去の体験を、積極的に思い出す方法はとらないこと。

今の自然な感情を味わって、少しずつステップアップしていけばOKです。



■100%安全な環境で、トラウマを再体験する

トラウマを克服する最も確実な方法は、

トラウマの恐怖を再び体験し、乗り越えることです。

例えば、トラウマが原因で犬に触れない人は、

犬に触って「大丈夫やん!」という実感を得ることで克服が可能になります。

対人恐怖症なら、人前に出て慣れることが克服につながります。

しかし、重度のトラウマの場合は再体験をすることは危険です。

嘔吐や目眩、貧血が発症することがあるからです。

そこで効果的なのが、イメージの中で再体験をする「系統的脱感作法」です。

その他、「現実脱感作法」というのもありますが、今回は割愛します。
(気になる人いたら聞いてください!)



■トラウマに「ユニークな演出」を加える

トラウマとは、過去の体験を深刻に受け止めた結果から作られたもの。

そこで、このメカニズムを逆手にとってユニークな演出を加えてしまうのです。

例えば、トラウマとなった過去の出来事を思い出すときにマヌケな音楽をBGMにしたり、

登場人物をぬいぐるみなど、かわいいものに差し替えるのです。

または、好きなお笑い芸人やタレントなどを追加で登場させて、

ユニークな演出を加えてみるのも効果的です。

ポイントは徹底的にふざけるということ。

自身もバカバカしいと感じることが大切です。

なぜなら、トラウマとは深刻に受け止めた結果だからです。

トラウマの元となっている登場人物に「江頭2:50」のような、

ふざけまくった人を出してみたり、アンパンマンの声にしてみたりと、

徹底的にふざけるのがコツです。

バカバカしさを楽しむ「余裕」が、トラウマ克服の「最良の薬」になってくれます。



■トラウマを客観的に思い出すイメージトレーニングを行う

人は過去の記憶を2種類のパターンで思い出すそうです。

1つは、過去を「客観的」に思い出すパターン。

この思い出し方の場合、過去の自分の姿が見えます。

映画のスクリーンに映っている自分を見ているような感覚です。


もう1つは、過去を「主観的」に思い出すパターン。

この場合は、過去の自分の姿が見えません。

これは、現在の自分が過去の自分に乗り移って再体験している状態です。

過去の出来事を再体験するイメージをやってしまうと、脳は現在起こっている出来事だと錯覚します。

つまり、脳は終わった出来事だと認識できなくなります。

この思い出し方を繰り返した結果、トラウマが作られます。

主観的な思い出し方を繰り返すほど、トラウマは強化されます。

トラウマを克服するには、客観的な思い出し方を習慣にすることです。

トラウマになった出来事を、主観的に思い出してしまったら、すぐに切り替えましょう。

映画を観るような「客観的なイメージ」に変えるのです。


【トラウマの記憶を消す「客観的イメージトレーニング」のやり方】

トラウマを映画のスクリーンに映す

苦しい記憶が浮かんだら、目の前に「映画のスクリーン」を想像しましょう。

そのスクリーンに、消し去りたい過去の体験を映してください。

スクリーンには過去の自分が登場人物として見えます。

自分自身はその映画を一番後ろの客席に座って見ています。

スクリーンを遠くから見るほど臨場感が弱まり、客観的に見ることができます。

次に、その映画に登場する人物は、自分ではなく「他人」だと意識してください。(※ここすごく大事です!)

これによって、より客観的に見ることができます。

そうしたらここで1度「もう終わったことだ」とつぶやきましょう。

すると、映画は終わりました。

次に映画館の出口に立ち、後部席に座って映画を見ている自分を、さらに客観的に見てください。

そして、もう一度「もう終わったこと」とつぶやきましょう。

そして、映画館を出ていく自分をイメージしながら終了します。



■過去は過去。現在と未来とは無関係だと自覚する

ここで質問です。

嫌な出来事が発生した過去にタイムスリップは可能でしょうか?

ドラえもんに頼んでタイムマシンを使うか、

とにかく現在から過去にタイムスリップしたいのですが可能ですか?

絶対無理ですよね?笑

つまり、過去とは絶対に触れられないものであり、

現在とは完全に断絶されている無関係なものだということ。

今の自分に影響を与えられないものなのです。

つまり、現在の自分が過去に依存するのは無意味。

ただただ、これからやってくる未来だけに意識を向ければ良いのです。

過去の苦しみ、悲しみ、罪悪感、カルマ・・・そんなものは、もうどうでも良いこと。

自分自身が「望む未来」を実現するために、今この瞬間をどう生きるべきでしょうか?

そこだけに焦点を合わせて明るく生きること。

それだけで、トラウマは克服できます。

なぜなら、トラウマという闇は、明るい光に照らされると消滅せざるを得ないからです。

人間は、苦しむために生まれてきたのではありません。

愛と喜びを味わい幸せになるために生まれてきました。

苦しみを感じることに早く飽きて、それがバカバカしいことだと今すぐ気づきましょう。



■全てを許し愛すると決める

トラウマが克服できないのは、過去の記憶を手放さないから。

手放すためには、全ての出来事、人、そして自分を許し、愛することです。

全ての人間は「欠点だらけの未熟な存在」です。

私たちは、互いに許し、許され合いながら生きています。これをまずは理解する。

つまり、他人の許せない部分も、自分の許せない部分も、全て受け入れて許し愛すること。

それがトラウマの原因となった「過去の許せない出来事」から解放される答えです。

自分は完璧である必要はありません。欠点だらけでも素晴らしいのです。

他人も完璧ではありません。欠点だらけで良いのです。

それを理解し、全てを愛してあげること。

もちろん、これは決して簡単なことではないでしょう。

しかし、全てを愛せるようになると視界が変わり、全ての物事が浄化されていきます。

すると、自分に関わる全ての人や物が、幸福をもたらす存在になっていきます。

赤ちゃんに笑顔で接すれば、赤ちゃんは笑顔になり、私たちは癒されます。

赤ちゃんに負の感情で接すれば、赤ちゃんは不機嫌になり、私たちの気分も乱れます。

自分自身が「愛」を持って全てを照らしてやれば、全ての人や物事も「愛」を返してくれるということ。

これは、トラウマの克服だけでなく、良い人生を送るために重要なマインドです。



まめると…

トラウマの原因となっているものは過去です。

しかし、現在と未来において、過去とは「もう終わった出来事」であり、

触れることもできない、何の影響力もないものです。

今自分たちがフォーカスしなければならないのは 未来 だけ。

自分たちにとって幸せな未来とはどんなものでしょう?

それを考えると、自然と笑顔になってワクワクしませんか?

ポジティブな感情だけを、積極的に選んで生きてください。

今この瞬間の感情の選択は自由。

どんな出来事でも「ポジティブとネガティブの面」の両方が共存しているもの。

どちらに焦点を合わせるかは、自分自身に選択権があります。

私たちに起こった過去に意味はない。

問題は、出来事をどのように解釈し、どの感情を選ぶのか?

せっかくなら、望ましい未来につながる解釈、感情を選ぶべきですよね!

また、それこそが理想の未来を実現する、

確実な方法であることを理解して頂ければ幸いです。

人間だから喜怒哀楽やその他の感情もあるし、どうしても出てくるもの。

それは仕方のないことだけど、その感情たちとどう付き合って行くか。

自分もまだまだ未熟、きっと死ぬまで未熟なままだと思います。笑

でも死ぬ時は「あー!楽しかった!」「幸せだったな!」って言って死にたいのは紛れもないこと。笑



shun

Shun Oshima

マインドフルネス指導者 l フォトグラファー 12歳の時に訪れたイギリスをきっかけにカメラに触れるようになる。 フリーで写真家としてヨガやウェディング、イベント、ポートレート、風景など様々なジャンルの撮影をこなす。 また、全国でカメラワークショップも開催。 その他、マインドフルネス指導者としても活動に取り組む。

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Shun Oshima

マインドフルネス指導者&フォトグラファーとして活動中。

■マインドフルネスインストラクターとして
脳科学や心理学、生理学、禅といった様々な分野を通して、マインドフルネスを学び日本国内にてパーソナルレッスンを中心にその人に応じたオーダーメイド型のレッスンを展開。
また不定期にグループレッスンも開催しており、
マインドフルネスを1人でも多くの人に伝えることで、
日々の息苦しさや、その人が持っている目標(ビジョン)の達成のサポートに取り組んでいる。

■フォトグラファーとして
ウェディングや風景、ポートレート