ストレス耐性を身につけるために

ストレス耐性がある人とそうでない人、その差はどこで生まれるのでしょう?

過去にどれだけ辛い経験をして来たか?修羅場をくぐって来たか?

死にそうになった経験をしたか?ブラック企業で耐え抜いて来たか?

失恋を多くした?・・・それらも一理あるかもしれません。

だけどもっともっと理論的に今日はお話ししましょう。

特に小さなお子さまがいらっしゃる方は今から接し方を心がけることで、

大人になってからのストレス耐性が強くなることが期待できます。


■そもそもなぜストレス耐性の個人差が出てくるのか?

これは脳にある【扁桃体】と呼ばれる領域の感受性の強弱と言われています。

扁桃体は情動反応の処理と短期的記憶においての役割を持ち、

情動・感情の処理(好悪、快不快を起こす)や直観力、恐怖、記憶形成、痛み、

ストレス反応、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割も担っています。

そのため「脳の警報装置」とも呼ばれています。

扁桃体に関しての詳細は僕のレッスンの中やまた別に綴ろうと思いますが、

緊張したり、日常生活の中でヒヤッとしたり、夜道を一人で歩いている時などに

感じる恐怖などはこの扁桃体が働いていて、自分自身の身を守ろうとしてくれています。

この扁桃体の機能ですが、実は機能は遺伝や幼少期の経験である程度は決まると考えられています。

ある研究機関の結果によると、乳児期にスキンシップや声掛けなど母親から受けた愛情が

多ければ多いほど大人になった後にストレス耐性がより強いことが分かったとされています。

遺伝や環境に加えて家庭や生活環境もストレス耐性に影響を与えるのです。


■子どもの頃からストレス耐性を高めるために

上でも書いたように乳児期からの親からの愛情をどれだけ注がれたかで、

大人になってからのストレス耐性に差が出ると考えられています。

これも脳科学の研究で明らかになっていますが、

子どもは生まれてから

3歳までに80%、

6歳までに90%、

12歳までに100%、

の脳が完成すると分かっています。

ストレス耐性もそうですが、人格であったり、何かの分野に対する得意不得意なども

おおよそ3歳までにその先の方向性が決まるとされています。

ので、お子さまがいらっしゃる方々はぜひ、より多くの愛情を注いであげてくださいね!


■自分の努力でもストレス耐性を高めることはできる

とは言え、脳は唯一大人になってからもある程度鍛えることのできる部位です。

ストレス耐性を高めるための方法をいくつかピックアップします。


①コーピング

コーピングとは自分だけのストレス解消法を書き出し、

ストレスを感じた時にそれらの方法を実施し、その効果を体感しておくというもの。

どんなストレスを受けた際にどの解消法が効果的だったかを把握しておくことで

ストレス解消がスムーズにできる。

それによってストレス耐性の向上にも繋がるというものです。


②食事

精神安定効果のあるカルシウムや体内の神経伝達物質の生成に大きな役割を果たす

ビタミンB6、神経細胞を強くするビタミンB12などが、ストレス耐性をつけるのに役立ちます。

これらがバランスよく含まれるのがイワシやニンニクなどになります。

<ビタミンB6>

野菜類(とうがらし、にんにくなど)

穀類(米ぬか、小麦胚芽など)

魚介類(まぐろ赤身)


<ビタミンB12>

魚介類(さけ、イワシ、うなぎなど)

貝類(しじみ、あさりなど)

藻類(のりなど)

肉類(特にレバー部分)

普段の食事の中に上手くこれらを取り入れてストレス耐性を向上させましょうね!


③運動

運動は脳のストレス耐性を高める効果があります。

軽めのジョギングやウォーキング、階段を使うなど、少しずつでも運動を習慣化しましょう。

軽めの運動は自律神経のバランスを整えたり、前頭葉の機能を向上させ、扁桃体の機能を

小さくすることに貢献します。


④睡眠

ストレス耐性を高めるためには安定した睡眠は欠かせません。

その原因は、脳の血流と、セロトニンです。

実は起きている間より眠っている時の方が脳の血流が多いと言われており、

睡眠時間が少なければ、それだけ脳に老廃物(疲労因子)が溜まりやすくなります。

できるだけ十分な睡眠を取り、ストレス耐性を高めるセロトニンの分泌を促しましょう。

(セロトニンは腸内と脳に存在しています。)


⑤マインドフルネス

マインドフルネスは瞑想やヨガを用いたストレス低減プログラムというもの。

瞑想やヨガ、ボディスキャン等を通じ様々な雑念が出てくる頭と心の中を整理、鎮静化する

ことで落ち着いて物事を合理的に判断できるようになります。

要は自分自身の思考の癖や感情の現れ方などに来づけるようになります。

そうすることで視野が広がり、自分への自信を深め、ストレス耐性を深めることが出来るのです。


自分自身がどんな時にストレスを感じ、どの程度感じているのか?

それを知ることはとても大切です。

現代人は誰しもが忙しいので、目の前のことを消化することで

いっぱいいっぱいになりがちですが、ストレスを感じている時は

身体のどこかが必ず反応を示しています。

にも関わらず、それに気づかず放置したまま、

ただただタスクをこなすことに邁進していっているのです。

そうする内にストレスは大小問わず溜まって行き、自律神経が崩れていきます。

その結果、病気や何かしらの疾患という形で身体が悲鳴を上げて、ストレスが

キラーストレスに変化してしまい深刻な病気になることに繋がるのです。

そして通院しなければならなくなったり、

飲みたくない薬を飲み続けたりしなければならないのです。

ちなみに、西洋医学的な薬を飲むという行為は症状そのものを緩和させるためだけの

役割であって根本治療にはなっていません。

根本治療をするためには「なぜそうなったか?」の原因をちゃんと突き止め、

東洋医学的な要素を取り入れつつ、西洋と東洋のバランスを上手く取って

治療していくことがベターです。

ストレス耐性がある人はストレスに耐えるだけでなく上手に解消できる人ともいえるでしょう。

気分転換を図る、重症になる前に専門医に相談するなど、

早め早めの対策がストレスに悩まされず

ストレスと上手に付き合う方法なのかもしれません。

未だに日本では我慢することが美徳とされている風潮がありますが、何事もtoo muchはよくりません。


皆さんのストレス解消法はなんでしょう?

ぜひ友人や家族とシェアしてみてくださいね!

もしかしたらそれが共有できたら楽しいし、相手の解消法が自分にとっての解消法に

なったりすることもあって、自分の中にその選択肢が増えることはいいことです。



shun


Shun Oshima

マインドフルネス指導者 l フォトグラファー 12歳の時に訪れたイギリスをきっかけにカメラに触れるようになる。 フリーで写真家としてヨガやウェディング、イベント、ポートレート、風景など様々なジャンルの撮影をこなす。 また、全国でカメラワークショップも開催。 その他、マインドフルネス指導者としても活動に取り組む。

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Shun Oshima

マインドフルネス指導者&フォトグラファーとして活動中。

■マインドフルネスインストラクターとして
脳科学や心理学、生理学、禅といった様々な分野を通して、マインドフルネスを学び日本国内にてパーソナルレッスンを中心にその人に応じたオーダーメイド型のレッスンを展開。
また不定期にグループレッスンも開催しており、
マインドフルネスを1人でも多くの人に伝えることで、
日々の息苦しさや、その人が持っている目標(ビジョン)の達成のサポートに取り組んでいる。

■フォトグラファーとして
ウェディングや風景、ポートレート